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大会長あいさつ

                   

          

           

          青森在宅緩和ケア懇話会代表世話人、青森慈恵会病院緩和ケア科 

                   

       小枝淳一

  第19回福島大会では「これでいいのか?緩和医療」、第20回山形大会では「暮らしを支え,いのちを祝う。~今,それぞれの場所で~」がテーマでした。緩和ケアは平成18年のがん対策基本法の制定以来、行政の強い追い風で日本中に広まるだろう様相を呈していましたが、10年を経てみると、がん拠点病院ですら緩和ケアの体制が整っていないとされる施設は多く、在宅医療においても全国的にみれば、緩和ケアの普及は進んでいるとはいいがたい現状です。そこで今回のテーマは「どうなっちゃうの?緩和ケア」としました。

  東北緩和医療研究会は当初、麻酔科を中心に立ち上がったと聞いております。痛みの治療を中心に、しかし全人的なケアも視野に入れて、単にペインクリニックに留まらない医療を進めていこうという趣旨であったと思われます。一方、ホスピス病棟を中心に、英国のシシリーソンダース先生にならいホスピスケアを進めてきた流れは、痛みの治療もするけれども、ターミナルケアを中心に据えたおもてなしのケアに邁進してきました。さらに、山形大会のテーマにあるように、それぞれの場所での暮らしを支えるケアに緩和ケアのスキルを取り入れていくことが必要であり、また暮らしを支えるケアを緩和医療に取り入れていくことも重要であると考えます。

  そこで今回のパネルディスカッションでは、それぞれの場所におけるアドバンスドケアプランニングについてご発表いただき、会場参加者を交えて討論を行いたいと思います。

  また、今後は介護施設においてもACPやターミナルケア、ホスピスケアを担う方向性にあり、そのような重い仕事に耐えられなくなって、職員が辞めたり、うつになったりすることも当然予想されます。特別講演では音羽山観音寺副住職の佐々木慈瞳さんに「ケアする自分を支える。無常の日常を生きる智慧」と題してセルフケアのヒントを頂戴いたしたいと思います。

  最後に、本大会に先立っての世話人会で、第21回大会はなるべくお金をかけずに質素に行うこととの命が下りました。当日までいろいろな不手際があるとは存じますが、実行委員一同、皆様をお迎えする準備を始めております。お気づきのことがございましたら、なにとぞご助言、ご協力のほどをお願いいたします。会の終了後は青森の美味しい食べ物やお酒を満喫されて、幸せになってお帰りくださいませ。

 

  

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